いつでも都合の良いタイミングで支払えるコンビニ決済は、クレジットカードを持たない層だけではなく、深夜や早朝にしか時間を作れない方にとっても便利な決済方法です。
コンビニ決済の導入は、たとえば以下のような要望を持つ経営者の方におすすめです。
- 幅広い年齢のユーザーを取り込みたい
- 入金確認をリアルタイムで行いたい
- ユーザー人気の高い決済方法を導入したい
対応を希望するユーザーの多いサービスですが、売り手側としては手数料などのコスト面も加味して導入する必要があります。
手数料をはじめとしたコンビニ決済のデメリットの他、メリットや導入をおすすめする業態・お店のタイプについてご紹介します。
コンビニ決済を使った際のメリットとは
コンビニ決済は、その名のとおり商品代金をコンビニで支払う決済方法です。
クレジットカードを持たない方など幅広いユーザーに対応できるうえ、24時間いつでも支払える利便性があることから、利用者数はカード払いに次ぐ多さです。
売り手としても、以下のようなメリットがあります。
- 請求書発行の手間を省ける
- 未回収リスクを軽減できる
- 不正利用などのトラブルがない
- リアルタイムで入金が反映される
- 幅広い世代をターゲットにできる
コンビニ決済は、大きく分けると請求書を発行するタイプと、注文別に専用番号を発行するタイプの2種類存在します。
専用番号を発行するタイプはメールで支払い番号を通知するため、請求書を発行する手間が省けます。
請求書を発行する方法にもメリットがあり、請求書の内容によっては銀行振込とコンビニ決済のいずれかをユーザーが支払う直前に選ぶことができます。
また、どちらの場合も銀行窓口やATMが開いていない深夜・早朝でも支払ってもらえるため、未回収リスクの軽減につながります。
クレジットカードのように不正利用を心配する必要もなく、チャージバックなど余計な手数料で損をすることもありません。
24時間リアルタイムで入金が反映され、前払いの場合は即座に商品発送準備へ取り掛かれます。
中高齢者はもちろん、年齢制限なく利用できることから小学生や中高生など若年層向けの商品を販売しているお店にもおすすめです。
コンビニ決済を使うことによるデメリットはある?
コンビニ決済の導入には、代金回収を委託するための契約をコンビニの各運営会社と結ばなくてはなりません。
決済代行サービス会社を介すことでコンビニ各社と直接契約する手間は省けますが、コスト面などデメリットも発生します。
コスト問題を含め、コンビニ決済の導入には以下のようなデメリットがあります。
- 手数料が高くなりやすい
- 売上によってはコストが負担となる
- 注文から支払いまで間が開く
- 後払いの場合は未回収リスクがある
- 金額によっては対応できない場合がある
コンビニ各社との契約が必要となる事情もあり、決済代行サービス会社を利用すると、クレジットカード決済よりも手数料が高くなりやすい傾向にあります。
サービス会社の中には、決済1回ごとに発生する決済手数料の他に月額利用料が設定されているところも多いため、コンビニ払いを希望するユーザーが少ないお店は要注意です。
利用するユーザーが少なかったり、客単価が少なかったりするお店の場合、月額利用料などのランニングコストが大きな負担となってしまいます。
また、ユーザーとのトラブルの可能性も視野に入れて導入を検討しましょう。
コンビニ払いは前払い対応にしても注文後に即時支払ってくれるとは限らず、翌日や数日後に支払われるケースが少なくありません。
後払い対応にした場合も支払い期日を守ってもらえなかったり、支払い自体を忘れられたりと、未回収リスクが懸念されます。
しかし、手数料の問題や未回収リスクはその他の決済方法でも起こり得るデメリットでしょう。
コンビニ決済最大の注意点でもあるのは、限度額の存在です。
多くの決済代行サービス会社ではコンビニ払いの限度額を30万円以下に設定しているため、30万円以上の商品を取り扱うことの多い企業は、注意書きなどの対応が必要です。
コンビニ決済を導入したほうがいいのは客単価が高いお店
利便性の高いコンビニ決済ですが、決済サービス利用者が少なかったり客単価が少なかったりすると、手数料や月額利用料が企業・お店にとって大きな負担となります。
ただし、30万円を超える場合はコンビニ決済自体を利用できないため、それ以下の価格帯でなければなりません。
高額すぎず、ある程度の客単価が見込める、たとえば以下のような業態・お店での導入がおすすめです。
- 健康食品の通販会社
- 小型家電の通販会社
- 各種チケットの予約受付・販売店
- グッズ類の通販会社
- フリマサイトの運営
注文1件あたり数千円~数万円の支払いが主流となる健康食品や小型家電は、幅広いユーザーを見込めます。
クレジットカード払い以外を希望する方も多いため、コンビニ決済の導入で潜在顧客の獲得を狙うことができます。
同じくある程度の金額が見込める各種チケットの予約・販売は、コンビニの端末操作に慣れた中高生の利用も多く、いつでも入金できるコンビニ払いが人気です。
アイドルやキャラクターグッズ、イベント限定グッズの販売も、さまざまな年齢のユーザーがいるうえ1件あたりの注文が高額になりやすく、コンビニ払いに向いています。
上記の例と比べると客単価が少なくなるリスクがありますが、薄利多売で月額利用料の負担を減らせる可能性が高い企業が、フリマサイトやアプリの運営会社です。
こちらもユーザーの年齢層が広いためコンビニ払いの導入が喜ばれます。
販売手数料や購入手数料として出品者・購入者に一定額を支払ってもらえるメリットがあることから、客単価の安さも大きなデメリットとはなりません。
まとめ
通販代金などの決済方法の中で、最も利用されているのはクレジットカードですが、コンビニ決済も2位になるほど高い人気です。
上限30万円までという制限がありますが、1件あたり数千円~数万円の支払いが多い健康食品や家電などの販売で導入するには、十分な金額でしょう。
未成年や中高齢者をターゲットとする商品・サービスとの相性も良いため、手数料や月額利用料などのコスト面と相談しつつ、導入を検討することをおすすめします。